平成三年


元日も 木彫りに籠り ゐたりけり        1月1日    最近木彫りに熱中
涙なき 葬儀華麗に 虎落笛          19日    友の妻は女傑なりし
梅一輪 カメラに香り 溢れけり         23日    後楽園
贈られし 里のミカンの 甘き彩       3月19日    松本女史よりミカン
幾度も 庭の春雪 眺めけり         13日    初雪は春雪
贈られし 布団ほのかに 春の夢          26日    友退院内祝い
会社売り ビンゴきらきら 四月馬鹿         4月1日    新旧社長交代の宴
音楽も 仕事も捨てて 春の風           25日    社長退陣写真展
仕事捨て 芸術捨て得ず 霞中                 〃      〃
柏餅 抓みて学ぶ 中国語 26日    番町文庫お好み屋
七十年 画業讃えし 春の風 27日    野平上児島ホテル展
勲章を 惚けて貰って 街薄暑 5月7日    県六十名叙勲の報
豪華なる 宴のあとの 蕗茶漬 22日    糸賀夫人のおしゃべり
あちこちに シャッター切る音 梅雨の庭 6月7日    井上一夫宅訪問 
若者と 書を書き競ひ 明けやすし 8日    玉龍会合宿
旅の夜の 句案の風呂や 半夏生 7月7日    森林公園
聴雨煙る 山に抱かれし 藁の屋根  〃       〃
韓国へ カメラ一つの 夏の旅 11日から14日    韓国旅行
韓旱り 女衒は深き 情け説く           〃          ホテル
韓人も 同じ顔して 汗を拭く               〃       〃     
風そよぐ 異国のぎぼし 見つめをり               〃          ロッテワールド
宴たけて 舞ふ薄衣の 透き光り               〃       〃      〃
尾根尾根に 連なる古城 歩の涼し               〃       〃   南山よりウォーカヒル
波風を 誘ふ舞楽の 音涼し               〃       〃        〃
比良山に 午を彩る 未ぐさ 23日から24日    比良山、琵琶湖
竹生島 静に鳴ける 朝の蝉               〃         〃
伊吹山 ぎぼしの揺れる 岩壁の霧               〃         〃
石塔寺の 最古の佛舎利 大旱り               〃         〃
今日もまた 猫と昼寝の 老女かな 30日    老婦人と小猫
行き迷ふ 国道四三九の 大旱り 8月2日から3日    仁淀国民宿舎
岩狭間 伝ふ水音 蝉しぐれ               〃        〃     中津峡
朝焼けの 彩移りゆく 中禅寺 24日から27日    写真会全国大会
朝霧の 萬化に山の 傾きぬ                  〃        〃     小田原
赤とんぼ カメラ持つ手に 戯れる                       〃     東大植物園    
はんごん草 咲き敷きつめて 龍頭滝               〃        〃      奥日光
古里の 秋の夕焼け 四つ手網 9月9日    九幡四つ手網
干からびて 波止に子河豚の 涙かな           
滝しぶき 陽は一条に 秋を告げ 16日    津黒高原 不動滝
山深く 迷ひて元の 萩の原        〃    宿舎前
裏畑の 杭に忘れし 藁帽子 23日    石塔寺の写真に題
黒砂に 打ち寄す波の 縞模様 26日    犬島写真会
コスモスの 雨に墓参の 友を待つ 30日    阿部雲魚 墓参
白き掌に 芝栗ころころ 陽の漏るる 10月7日    芦津みたき園
ヘルニアと 白内障と 秋の風邪 11日    大本眼科白内障宣言
残る虫 白粉吹きつつ 印刻む 12日    金谷方子、他門札と印
秋祭り 戸毎に山車を 迎へをり 14日から18日    能登の旅 白川郷
山頂に ぱっと開けし 秋の湖  〃       〃    有峯湖
朝市に 菊売る老婆の 腰軽し  〃       〃    輪島朝市
朝焼けに 朽木輝やく 三方五湖               三方五湖
秋山も 冠婚葬祭も 同じ靴 20日    自宅にて
玄関の 靴につまづく 秋の宵 〃       〃
秋風に 揺れる吊橋 巨大岩 26日    三瓶山撮影会
歩の遅き 鷺に時雨の 干潟かな 11月2日    大平山に朝日
幾度も 目覚め朝焼け 待てをり 〃        〃
病癒へ 祝ふ茶会や 返り花 8日    松本英子病癒ゆ
犬稗の 輝く穂波 恩原湖 10日    美作撮影行
カツ丼に 出会ふ時雨の 山の里 13日    富村撮影会
書法史を 句に読む窓の 秋日ざし 15日    書史を句に詠む 玉龍会会報用
甲骨文 腰折れ枯れても 優雅にて         
父親が 斧を手に持つ 金文字 〃        〃
周代の 筆あと偲ぶ 帛書かな 〃        〃
石鼓文 周の史留が 才の跡 〃        〃
始皇帝 篆書創れど 世は入れず 〃        〃
後世の 書法示すや 権量銘         〃
草書体 楷書隷書の 以前より          
漢代に 隷書出来たと 慌て者          
紙出来て 楷書の生まれ 漢潰れ 〃         〃
平穏の 時より乱世に 書の興り 〃         
唐代に 王羲之再び 生きてをり          
唐代で 書法の歴史の 終わりけり 〃         〃
秋笑ふ 医師と土佛の 顔同じ 23日    赤枝郁郎宅訪問
老書師の 話題の尽きぬ 秋の庭 26日    写真展に一丘氏来る
師走の展 他人の写真 良く判り 12月2日    老友の写真を
老女癒之 鉄板焼きの 祝いかな 5日    松本英子全快祝い
山茶花の 彩の移りし 観世音 7日    宝福寺金亀
老友を 話で見舞ふ 霜の月 11日    桝本骨折入院
廃屋に 叔母は独りや 風師走 13日    九幡を訪ふ
叔父愛し 蕪村書き終へ 師走更け 18日    蕪村3000句完書
クリスマス 北京ダックの 無神論 24日    中華料理天安門
八時間 芭蕉句書して 去年今年 31日    山頭火より芭蕉へ


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